これから保育園入園を検討している方に気になるお金の不安を軽くできるように保育利用料の減額の方法についてまとめていきます。
押さえるべきポイントは3つです。
- 住民税を下げれば保育料算定区分が安くなる
- 住民税を下げるには、所得控除を利用する
- 利用しやすい所得控除は、生命保険料控除、年金追納、iDeCo(個人型確定拠出年金)
まず初めにどのように保育料が決まっていくのか順番に解説していきます。
保育料の決め方
自治体により多少の違いはありますが、保育料は給付認定保護者とその配偶者(つまり、夫婦)の市町村民税の所得割の額等により決定されます。
市町村(特別区)民税所得割額は毎年、6月ごろに職場を通して通知される「給与所得等に係る市町村民税・道府県民税特別徴収額の決定・変更通知書」(下図)で確認することができます。
お住まいの自治体が発行する横長の紙です。
この通知では、6月~翌年5月まで毎月の住民税がわかるようになっています。
市町村(特別区)民税所得割額は赤枠の部分に記載されています。
保育料は、市町村(特別区)民税所得割額(共働きの場合は、夫婦で合算されます。)をもとに自治体の決めた保育料の区分に当てはめて計算されます。
【市区町村の保育料区分の例】
横浜市を例に挙げておきます。
夫婦のた市町村(特別区)民税所得割額によってD1〜D27の区分されており、兄弟の有無、ひとり親などによっても負担額は調整されています。
令和3年度横浜市子供・子育て支援制度(保育料)(月額)より一部画像抜粋
夫婦で合算した市町村(特別区)民税所得割額がお住まい自治体の保育料区分のどこに区分されるか確認をしましょう。
東京都千代田区、大阪市、北九州市は、4~8月は前年度の市町村(特別区)民税所得割額、9月~翌年3月は保育園利用当年度の市町村(特別区)民税所得割額が適応されます。
横浜市は前年度の市町村(特別区)民税所得割額を基準に1年間の保育料が適応され、毎年9月に更新となっています。
市区町村によっては、6月に通知される当年度の市町村(特別区)民税所得割額で9月から保育料が更新されるため確認しておきましょう。
市町村(特別区)民税所得割額を下げる方法
市町村(特別区)民税所得割額を下げれば、自治体の定める保育料の区分を下がることになります。
結論から言うと所得控除を利用することで市町村(特別区)民税所得割額を下げることが可能です。
では市町村(特別区)民税所得割額はどのように決まるかを確認していきます。
職場から12月の最後の給与支給日に通知される源泉徴収票で確認できます。
図①「支払金額」、図②「給与所得控除後の金額」、図③「所得控除の額の合計」を確認します。
①「支払金額」-所得控除=②「給与所得控除後の金額」
②「給与所得控除後の金額」–③「所得控除の額の合計」=課税所得となります。
課税所得×税率10%=住民税
この住民税の税率10%は都道府県民税(4%)+市町村(特別区)民税(税率6%)の合計となっています。
市町村(特別区)民税(税率6%)が市町村(特別区)民税所得割額となっています。
市町村(特別区)民税所得割額は住民税を下げることで変わるため、住民税を下げる手段を講じましょう。
市民税の税率は一律6%のため、所得控除をしていき、課税所得と少なくしていくことことが、住民税をさげることに繋がっていきます。
前置きが長くなりましたが、所得控除を利用することで市町村(特別区)民税所得割額を下げることが可能です。
利用しやすい所得控除
年金追納
学生納付特例などを利用して年金の未納分がある場合は、納付をすることで社会保険料控除として、所得控除になるため、課税所得の減額になります。
個人型確定拠出年金:iDeCo(イデコ) で積み立てを行うことで、社会保険料控除として、所得控除になるため、課税所得の減額になります。
生命保険料控除
万が一の時に備えて、民間の任意保険に加入しておくことが、所得控除にもなり、残された家族へまとまったお金を残せる点でも検討しても良いかもしれません。
注意すること
自治体の保育料決定区分の金額の幅が大きい場合、少ない金額の所得控除では区分が下がらないケースもあるため、自治体の区分とご自身の「給与所得等に係る市町村民税・道府県民税特別徴収額の決定・変更通知書」を参考に照らし合わせてどの程度の金額を控除する必要があるか確認しておきましょう。
令和3年度横浜市子供・子育て支援制度(保育料)(月額)より一部抜粋
難しい計算は聞いただけでも、嫌になりそうって方もいるかと思います。
そんな方には、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみては、いかがでしょうか。
ライフイベントに合わせて必要なお金のこと、どのくらいの年齢までに資産形成が必要かなど適切なアドバイスを受けたり相談できます。
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まとめ
- 保育利用料は、夫婦合算の市町村(特別区)民税所得割額で決められる
- 所得控除を利用して、課税所得を下げる
- 利用しやすい所得控除は年金控除、iDeCo、生命保険料控除
- 所得控除をしても、自治体の保育利用料区分が下がらない場合がある
2022年1月31日作成
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