筋肉をつけてかっこいい身体に、キレイなプロポーションを維持したい、運動不足を解消したいなど、きっかけは人それぞれかと思いますが、自宅・ジムなどで筋トレを始める方が多くいるかと思います。
せっかく決心して始めたトレーニングを効率よく身体に還元して理想の体型、ボディーメイクを目指しませんか。
そのために筋肉の仕組み、筋肉肥大の原理や栄養の取り方を調べて、まとめてみました。
目次
筋肉には2種類に分かれる
遅筋と速筋
骨格に沿って付いている筋肉のことを骨格筋といい、その収縮によって身体を支え、動かしています。
一般的に筋肉という場合、この骨格筋のことを言います。
自分の意志で動かすことができることから随意筋とも呼ばれ、組織上は横紋筋という種類になります。
これに対し内臓筋は平滑筋であり、自由に動かせるわけではないので不随意筋であるといえます。
骨格筋を構成する筋繊維には、収縮速度の違いからそれぞれ遅筋(赤筋)と速筋(白筋)として分類される場合もあります。骨格筋は筋線維が収縮することで力を発揮します。
収縮速度の遅い遅筋は、長い間収縮し続けることができ、主に長時間の持続的な運動に適しています。
収縮速度の速い速筋は、素早く大きな力を発揮することができ、瞬発的な運動を行うときに活躍します。
長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。
収縮のエネルギーとなるアデノシン三リン酸(ATP)の合成能力の違いを指標として骨格筋を染色すると筋線維の種類の違いがよくわかります。
自分がどちらの筋肉を鍛えたいのかも知っておきましょう。
超回復の原理
筋肉を大きくする上で、超回復という
ひとつの運動神経がつながっている筋線維の集まりをユニットと考え、これを運動単位といいます。
ひとつの運動神経が支配している筋線維の本数は、数十本から数千本までさまざまです。その本数に応じて、小さな運動単位、大きな運動単位と分けることができます。
ひとつの運動神経軸索が数十本の筋線維を支配する「小さな運動単位」では、発揮する力は弱いのですが、疲れにくいという特徴があります。
マラソンランナーに多いタイプであり。
これに対して、ひとつの運動神経軸索が数百本から数千本の筋線維を支配する「大きな運動単位」は疲れやすいですが、強い力を発揮することができます。スプリンターに多いタイプである。
筋肉には、このような大小の運動単位がさまざまな割合で分布しており、その割合に応じて筋肉の役割を特徴を表しています。
筋力を増強させるためには、小さな運動単位だけでなく、大きな運動単位を動員しなければなりません。
また、大きな運動単位を動員するためには、運動神経の発火頻度を増加させる必要があります(レートコーディング)。
さらに、ひとつの筋肉には大きな運動単位がいくつもありますが、これらがバラバラのタイミングで収縮していては大きな力は発揮できません。
大きな力を発揮するためにはそれぞれの運動単位を活動を同じタイミングにすることが重要となります。
高強度トレーニングは、運動単位の動員や同期、レートコーディングといった神経活動を高める効果があり、トレーニングを繰り返し行うことによって神経活動が適応され、筋力が増強するのです
筋トレによって筋肉内のグリコーゲンはエネルギーとして使用され、減少します。
減少したグリコーゲンが回復するのが24~48時間後であり、その時間はもともと筋肉に貯蔵されていた量よりも多くのグリコーゲンを蓄えることができるようになります。
つまり、筋トレから24~48時間後にエネルギーがたくさんある状態となるため、筋肉も強くなったと捉えられるのです。
筋繊維が回復している・肥大しているというよりも、筋力を出すためのエネルギーが回復していることが超回復のメカニズムとしては正しいと言えます。
筋収縮に参加する運動単位(1つの運動神経が支配する筋繊維の数)の増加によって絶対的な筋力が向上し、次いで筋の量が増える筋肥大が起こるのです。
栄養
・エネルギー補給
身体を動かすには、力のもととなるエネルギーを生み出す必要があります。
そのため、当たり前のことですが、食事をとる必要があります。
そして、食事内容も主食、主菜、副菜の揃ったバランスの良い食事(定食をイメージ)を意識しましょう。
エネルギー不足の状態で筋トレを行うと、筋肉のたんぱく質を分解して体を動かすエネルギー源を作り出すため(糖原生アミノ酸・ケト原生アミノ酸)体を動かすことはできますが、筋肉が分解されてしまっては筋トレをする意味が無くなってしまうため食事をとることも大切です。
1日に必要なエネルギー量(日本人の食事摂取基準2020年版より)
必要なエネルギー(カロリー)の決め方
①基礎代謝量の推定式
自分の体重、身長、年齢を下記の計算式に当てはめてみましょう。
w:体重(㎏)、H:身長(㎝)、A年齢(歳)
男性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.4235)×1,000/4.186
女性:(0.0481×W+0.0234×H-0.0138×A-0.9708)×1,000/4.186
②基礎代謝基準値用いた基礎代謝の推定計算式
下記の図表の年齢別の基礎代謝基準値と身体活動レベルを計算式に当てはめることで基礎代謝の推定ができる。
基礎代謝基準値×体重×身体活動レベル
③簡易計算式
簡易計算式では、体重あたり30~40kcal/㎏
・タンパク質
私たちの身体の血液や筋肉をつくる栄養素のひとつ。
アミノ酸が結合することでタンパク質を構成する。アミノ酸には、20種類あり、その中で9種類はヒトの体内で合成することができない、必須アミノ酸である。
必須アミノ酸はバリン、ロイシン、イソロイシントレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リシン、ヒスチジンの9種類である。
体重あたり1.0~1.2g/kgが最低限の目安となる。
アミノ酸の一つBCAA
よくプロテイン粉末に配合されているBCAAとは、必須アミノ酸のひとつで分岐鎖アミノ酸といわれる。
通常アミノ酸は吸収されると肝臓で代謝されるが、分岐鎖アミノ酸は骨格筋で代謝される。
食事中の必須アミノ酸のうち、分岐鎖アミノ酸は50%近くを占め、吸収後肝臓を通って優先的に骨格筋に取り込まれる。
分岐鎖アミノ酸は骨格筋の必須アミノ酸のうち、約35%を占め、骨格筋に多くのエネルギーを供給する。
運動中のエネルギー産生に占めるタンパク質の割合は10%前後とされているが、このうち分岐鎖アミノ酸からエネルギー供給量の割合が高いと考えられている。
よってBCAAの補給することもひとつの筋トレを行う上で大事な要素のひとつになる。
まとめ
どうでしたか、筋肉の基本的な仕組み、栄養の取り方は日本の食事摂取基準をもとに解説してみました。筋肉の効率よくつけるために、科学的な論文をもとに紹介しました。是非、皆さん参考にしてみて下さい。
参考文献
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