この記事では体脂肪率について解説していきます。
私自身が現場で対象者から体脂肪率がどのくらいが適正なのか質問を受けわからなかった経験からまとめてみました。
保健指導や栄養相談、健康教育などを行う職種を想定して作成しています。
目次
体脂肪率判定表
適正な体脂肪率については、タニタでデータが公表されていたものを参考に、Excelデータを作成しました。
タニタ体脂肪率判定Excelデータをダウンロードはこちら。
引用元データはタニタの公式ページを確認する。
体脂肪率を見るべき理由
隠れ肥満の可能性もある。
BMIの肥満度の判定では、筋肉が多いのか、脂肪の割合が多いかがわかりません。
BMIが正常範囲内でも体脂肪率が高ければ、隠れ肥満ということになります。
同じ体重であっても、体脂肪が多いのか、筋肉量が多いかによって基礎代謝にも影響してきます。
BMIだけが体格指数として、正しいわけではないことを理解しておきましょう。
つまり、体脂肪率の測定をすることで体重変化だけでは、見えない身体の変化が推測が可能となります。
体脂肪率の測定原理
体脂肪率は、体組成計を使用することで測定することが可能です。
体脂肪が測定できる原理は、身体に微弱な電流を流すことで、水と脂肪の電気抵抗(電気が流れやすさ)の違いを利用し、測定しています。
ただし、体組成計に表示される体脂肪率というのは、メーカーに蓄積された被験者のデータベースをもとに電気抵抗の値から求められる推定値であり、実際に体組成計で計測しているものは少ないと思われます。
BMI(体格指数)とは
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができます。
同じ体重であっても、身長が違えば、単純に比較できません。
そのため、BMIという指標を用いて肥満度を確認します。
肥満は、糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとして数多くの疾患のもととなるため、自分の状態を確認しておきましょう。
BMI22が標準体重であり、自身の身長(m)×身長(m)×22で標準体重を計算で求められます。
瘦せ | 正常 | 肥満 | 高度肥満 | |
基準値 | 18.5未満 | 18.5~25 | 25~34 | 35以上 |
BMIと死亡リスク
BMIと死亡リスクの関連を調べた研究において逆Jカーブを示す研究結果が得られています。
BMIが21から25の間で死亡のリスクが低い可能性が示唆されました。
太り過ぎでも、痩せすぎてもよくないということです。
さらに、どちらかと言えば痩せすぎの方が死亡のリスクが高い可能性がありそうです。
ウエスト周囲長のスクリーニング(男性85cm、女性90cm以上)
ウエスト周囲長が男性85cm²以上、女性90cm²以上の場合内臓脂肪のの蓄積が疑われる。
腹部 CT における臍レベル(あるいは第 4腰椎レベル)での内臓脂肪面積 100 cm² 以上を内臓脂
肪蓄積があると判定される。
内臓脂肪蓄積は耐糖能異常、血圧高値、脂質異常症を合併し、動脈硬化性疾患のリスクがある。
減量目標の目安
1年間で現体重の3~5%を減量目標が妥当であると特定健診・保健指導の研究をもとに学会発表されている。
研究の方法・結果・考察の詳細は、引用元を参照していただきたいが、保健指導の有無による対象者が6ヶ月後、1年後、3年後と保健指導の効果を評価しているが、1年後・3年後と検査値の改善、薬を飲まずに済むこと、医療費の低減が観察されている。
またBMI35以上の場合5~10%の減量目標が肥満学会肥満症治療ガイドライン2016で示されている。
引用元
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/guideline2018_01.pdf
2021年10月作成
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