朝、目覚めて起きた時、「寝ているはずなのに、疲れた」と感じることありませんか。
その疲れた感覚をそのまま放っておくと、、
そのうち、身体の不調や病気になるリスクを持っています。
身体が不調を訴える前兆。
もしくは、不調のサインかもしれません。
夜更かしのし過ぎで、睡眠時間が短かったなど、ハッキリ思い当たる原因がわかっていればいいですが、
特に原因がわからず、見過ごしている可能性もあります。
今日は『疲れ』を取り除くためにチェックすべきポイントを解説します。
明日の勉強、仕事、スポーツなど毎日最高のパフォーマンスを出し切り、成績や成果を上げるため
これから紹介する内容で当てはまる項目を見直してみましょう。
明日の身体の調子に変化があれば、是非、毎日意識できるように生活習慣を改善して、歯を磨くことと同じくらい無意識に実践できるように仕組み化していきましょう。
「疲れ」や「疲労」の正体
まず、我々が感じる「疲れ」や「疲労」の正体は、活性酸素が影響していると考えられています。
私たちが生活を営むなかで、身体を動かしたり、無意識でも心臓や肺が動いて呼吸をするなど
生きていく上で食事から得た栄養素をもとに、身体を動かすエネルギーをつくりだしています。
エネルギーを作る際に活性酸素などが作られます。
通常は私たちの身体には、活性酸素の酸化ストレスから細胞を守る仕組みが備わっています。
しかし、対応できる容量を超えてしまうと細胞の修復が追い付かなくなってしまい、酸化ストレスによる細胞機能が低下し、疲労に繋がることが言われています。
健康に過ごすうえで大切とされているのは、バランスのいい食事、適度な運動、じゅうぶんな睡眠と言われています。
①食事 ②運動 ③睡眠の基本が乱れていないかを確認しましょう。
今回は睡眠について、焦点を当てて解説していきます。
目次
睡眠とは
体内時計について
私たちは本来、身体に備わった仕組みとして、体内時計によって自然な眠りができるようになっています。
体温やホルモン分泌と同様に身体に備わったリズムとしてサーカディアンリズムがあります。
このリズムは頭の視交叉上核と呼ばれる場所に中枢時計があり、日中は活動するため、体温を上昇させたり、
食事の時間帯は腸の動きを活発にし、消化活動に備えたり、時間帯に合わせ体温の調節、ホルモンの分泌などを
促し、身体の活動をします。
このような時間帯に合わせた体の活動リズムの時間を調節しているのが、体内時計です。
体内時計が24時間に合わさるように光が最も重要な因子であることが知られています。
そのため、朝起きた時に日光の光を浴びることで体内の中枢時計が24時間にあわせるように調節されるようになっています。
睡眠も体内時計によって日光の光を浴びて、夜になる時間帯には、身体に眠気がでるようにホルモンがでるように体内時計がホルモン分泌を調節しています。
よって、朝起きて日光の光を浴びることと、日中に光を浴びることは睡眠の準備として朝目覚めた時からすで体の準備が始まっています。
良質な睡眠とは、
1.すぐに眠る(入眠潜時が短い)
2.ぐっすり眠る(中途覚醒が少なく、睡眠が安定する)
3.すっきり目覚める(浅睡眠から覚醒へスムーズに移る。目覚めた時の眠気が極めて少ない。)
上記3つが乱れていないかまず確認しましょう。
乱れている個所を改善することで、睡眠の質を改善し、日常の疲れを改善につなげていきます。
入浴
就寝2時間前に入浴することで睡眠の質が改善されることが示唆されています。
深部体温と皮膚体温の差が大きいこと、深部体温の上昇と下降、体熱放散が関係していると考えられています。
風呂で体の汗や汚れを落とし、清潔を保つだけでなく、睡眠の準備として入浴をして、身体を温めることも重要なプロセスと言えそうです。
シャワーだけで済ませないようにしましょう。
ストレッチ
就寝前のストレッチで疲労した筋肉の緊張を弛緩させるのと同時に神経や精神の緊張を緩和させることで、
副交感神経が優位な状態へ移行するため、寝つき(睡眠潜時)の時間が短縮され、睡眠時間が増える傾向があることが示されています。
就寝前の光・照明環境
催眠作用があるホルモンのメラトニンは日中は分泌が低く、夜に高くなるようになっています。
明るい光をたくさん受けると分泌が抑制されてしまうため、寝る前に明るい光を受けると催眠作用が抑制されてしまいます。
そのため、寝る前は間接照明や明るさを調節できる照明であれば、少し暗めの明るさに調節することがよいです。
照明の最適な照度と色温度設定を調べた研究では、
・3000Kの低色温度(やや赤みを帯びた近い色・暖色)
・30lxの低照度(暗め)
の条件の覚醒度の低下がスムーズであったこと、色温度が照度よりも大きな影響を与える可能性があることが報告されています。
睡眠前の行動に注意。
就寝直前までの携帯やパソコン、テレビなどの利用は脳を興奮状態にし、脈拍の低下を妨げることで寝つきが悪くなります。
熟眠感の低下に繋がると研究で示唆されています。
携帯やパソコンの光(ブルーライト)が日光と似た波長の光であるため、
寝る前の暗い部屋で液晶画面を見ていることも目が日光を浴びていると勘違いしてしまい、脳を興奮状態にしてしまうことも考えられています。
また、携帯やパソコン等の睡眠前利用は、
睡眠時間を長めにとっても、起床した時に寝たりない感じになってしまい睡眠の質が低下することも示唆されています。
そのため、睡眠時間を長く確保すれば疲れがとれるという訳ではなく、質の良い睡眠をとるためには、就寝前の行動も振り返りましょう。
寝酒
アルコールは胃や腸から吸収されるため、すぐにアルコールが血中に吸収されます。
そのため、催眠効果を発揮します。
しかし、血中濃度は上がるがアルコールは代謝され分解されるため、アルコールの分解が進むと血中濃度が下がるため、途中で覚醒してしまい目が覚めやすいということがあります。
そのため、寝酒は睡眠の導入としては寝つきやすくなるが、目が覚めやすいという反面があります。
睡眠の質という点では、中途覚醒につながるため寝酒はよくないといえそうです。
敷き布団(マットレス)を変えよう。
高齢者を対象とした研究において、普段使い慣れた敷き布団と寝返り・寝心地を重視したマットレスを使用し、睡眠の評価を行った研究では、良好な睡眠が得られるという結果であった。
この研究により、自宅で使い慣れた寝具が必ずしも良好な睡眠を得るために適切な寝具でない可能性が示唆されています。
経済的余裕があれば、マットレスの購入も検討の余地があります。
寝室の内装
部屋の壁紙や間接照明の有無により、睡眠の質が改善し、疲労感が改善する可能性が示唆される研究も存在するします。
アロマ
アロマセラピーは、フランス、ベルギーなどのヨーロッパでは、エッセンシャルオイルを使用した、メディカルアロマセラピーとして行われており、エッセンシャルオイルも厳密な規格に基づき使用されています。
使用するエッセンシャルオイルに含まれる種々の成分の薬理作用を利用することを意味しています。
そのため、精油の品質規格が高く、一定の品質を有することが求められています。
しかし、日本では、おもに英国式アロマセラピーといわれる芳香によるリラクセーション効果を目的とすることが多く、
治療的品質が求められていない国際的にみても臨床におけるアロマセラピーに対しては研究データの不足が指摘されています。
多くのサイトでアロマのことについて紹介されているが、科学的根拠に基づくデータが乏しいため、紹介は見送りました。
ただし、アロマセラピーを自身で試し、芳香を楽しむことは否定するわけではありません。
いびき
睡眠時の呼吸も要注意。
自分自身では気づくことは、難しいかもしれませんが、いびきは身体の不調につながる身体のサインです。
寝ている間に、病気のリスクを高める原因です。
いびきをかくヒトは、気道が狭くなっている状態のため、ストローで呼吸をしている状態と例えられます。
多くの空気を吸うことが難しいため、より呼吸数を増やそうと肺の動きを活発にするため、心拍が上昇、血圧をあげてしまい、本来、睡眠中に身体を休めるべき時間に、呼吸が乱れてしまい、自律神経が興奮し、疲労の蓄積に繋がってしまうことになります。
体に必要な酸素もいきわたらないため、高血圧症、脳梗塞などの原因にもなります。
まとめ
自分が疲れている原因は何なのか。
まず、疲れの原因となるプロセスを理解し、生活習慣を見直していきましょう。
健康に過ごす上で食事・運動・睡眠の習慣が大事です。
睡眠は1日の約1/3の時間を費やしています。
睡眠前の過ごし方、睡眠の環境など思った以上に睡眠の質に影響する要因が多いです。
睡眠環境を変えるのは、すぐには難しいかもしれません。
しかし、睡眠前の過ごし方は今日からすぐに実践できることです。
疲れを自分でコントロールをして翌日のパフォーマンスを上げるために何ができるかを考えていきましょう。
参考文献
http://toukastress.sakura.ne.jp/webj/article/2020/GS20-04j.pdf
file:///C:/Users/nons2/Downloads/kenkyo615358.pdf
北堂真子、高田喜雄、高橋達也、大川和己、栗原崇浩:エアー式ストレッチマットを用いた就寝前ストレッチングの入眠促進効果、松下電工技報、8252-58、(2003)
北堂真子、高橋達也:エアー式ストレッチマットを用いた就寝前ストレッチングの睡眠に及ぼす影響:平成14年度日本人間工学会関西支部大会講演論文集、78-79、(2002)
https://www.yakult.co.jp/healthist/233/img/pdf/p02_07.pdf
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