糖質は敵or味方?糖質制限を数値で解説。リアルの変化に科学的根拠はあるのか。

健康

気になる男性を振り向かせたい、そう思ってダイエットを始めたけど、行き過ぎた食事制限が原因で逆に体調を崩してしまった、モチベーションが続かず誘惑に負けて断念してしまったなど、ダイエットを断念した経験がある方が多くいるかと思います。

今回は我慢することなく、ダイエット効果が期待できる、糖質制限について科学的根拠を示しながら、リアルを解説していきたいと思います。

 

目次

糖質とは、

糖質はヒトの体内で消化・吸収されエネルギーとなり、糖の結合数によって単糖類、少糖類、多糖類と分けられのそれらの総称を糖質と呼びます。

糖質は主に主食となるごはん、パン、麺類などに含まれるでんぷん、砂糖(ショ糖)、果物(果糖)、牛乳(乳糖)なども糖質のひとつである。

 

炭水化物は何ものなのか?

炭水化物は糖質+食物繊維を合わせた総称をいい、食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない食物成分である。

ただし、様々な体への期待できる効果が見つかっている。

 

食物繊維の期待できる効果

・血清コレステロール低下作用。

・食後血糖の低下

・大便の軟化

・腸内細菌によって利用され消化・代謝・産生され短鎖脂肪酸やpH維持など間接的にヒトに有益な物質を産生する

 

糖質は悪者なのか。

糖質は体内において消化、吸収、代謝され、血糖(グルコース)がエネルギーとして利用される。

体内で利用しきれない、糖については、ヒトの進化の過程で狩りや作物ができないなど、食べ物を得ることができない、日々に備えるため、飢餓に備える仕組みを備えてきた。

体内では、グリコーゲンや体脂肪という形で糖(グルコース)から形を変えて体内に保管をする。

食習慣により、糖質を多く含む食品を摂りすぎてしまうことで体内で消費しきれない糖質が蓄えられるため、体脂肪の増加に繋がり、病気のリスクとなってしまう。

また、体内の糖が不足した状態いわゆる、低血糖の状態では、身体に糖が不足しているためエネルギーを産生することができなくなるため、身体を動かすことができなくなる

生命活動を続けるための機能として糖新生と呼ばれる機能があるが、筋肉を分解して糖原生アミノ酸をもとに糖を作り出す機能があるが、限界があり、脂肪酸分解によるケトン体の産生による代償エネルギー産生機構では、一時的にエネルギーを作り出すことはできるが、副産物で酸性のケトン体が増えることにより血液が酸性に傾くため、ケトアシドーシスで昏睡状態になる恐れもある。

そのため、糖は身体にとって必要なものであるが、必要以上の糖の摂取はオススメできないことが言える。

 

糖質制限の期待できる効果、ネット上の声・意見

・体重が減る。

・糖質制限を取り組むにあたって色々調べて健康意識が高まる。

・最初の1週間が大変、

・外食店舗や料理の香りが食欲をかきたて、誘惑になる。

・昼の眠気が無くなった。

・身体の怠さが軽くなった。

・ダイエット効果

・ウエストの減少

・糖尿病の治療効果の期待

 

どの程度取り組めば糖質制限になるのか。

 

ロカボの概念一般社団法人 食・楽・健康協会)

毎食糖質の量を20~40gに調節し、間食で10g、1日合計70~130g以内に抑える。

これ以外のカロリー・脂質・たんぱく質などに制限はない。

 

アトキンスダイエット(炭水化物抜きダイエット)

糖質の摂取が続くことで慢性的な高血糖状態によるインスリンがたくさん分泌されることで、脂肪が蓄積しやすい状態となり、悪循環となるため、糖質の摂取(50g以下)を控えることで悪循環の改善を見込み提唱された。

糖質が減ると脂肪を分解してケトン体を産生し、エネルギーを産み出すようになる。糖質以外のたんぱく質や脂質に制限はないため、満腹感は得られる。

修正アトキンスダイエット

炭水化物(糖質)の量を10g未満にし、それ以外の栄養素は制限しない方法、癲癇の発作が抑制されコントロールされたことから、はじまった食事方法。

 

リチャード・K・バーンスタイン

リチャード・バーンスタイン博士は、1日の糖質量を130g以下とする糖質制限ダイエットを進めています。

自身の1型糖尿病の治療体験に基づき提唱された。

 

以上のように、糖質制限といっても、糖質を制限する程度は色々あるようです。

 

エビデンス(日本・アメリカ・世界情勢)

アメリカ糖尿病学会2019年版診療ガイドラインより

・低炭水化物食(糖質制限)は短期的な血糖コントロールの改善に役立ち、薬を減らせる可能性があるといわれる。

しかし、長期継続は難しく大半の人はもともとの栄養バランスに戻り、効果は持続しない、この食事療法は定期的な個別の指導が大切である。

 

日本糖尿病学会

肥満の改善、糖尿病の予防・治療では、炭水化物の制限は意義はあると述べているが、これまでの研究で総エネルギー量の変化など詳細なデータがわからない研究もあり、検証が難しいことや低炭水化物の食事の脱落者が多いことなど、長期的な食事療法として継続していくこと安全性など重要な点についてこれを担保する科学的根拠が不足しており、現時点では薦められない。という形で結論づけている。

 

英国糖尿病学会

2011 年のガイドラインでは、2 型糖尿病における血糖ならびに体重の是正における炭水化物制限の意義につき、最近これを支持する報告があることを認めながらも、長期的な効果安全性についてのエビデンスのないことに注意を喚起している。

他にも

BMIが30以上の肥満者を対象にした研究では、食べる量を一切制限しない高脂肪食/低炭水化物食の方が、エネルギー制限を行った低脂肪食/高炭水化物食よりもより強い体重低下作用が認められている。

心筋梗塞や脳卒中の発症のリスクが4%ずつ増え、低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて発症リスクが最大1.6倍高まった」との報告がある

高脂肪の食事は「肥満や心臓病の原因となる」として否定されているが、「『脂肪の摂取を減らせば肥満や心疾患を防げる』という証拠は無い」という意見もある。

便利な糖質オフ商品

糖質を抑えるために、何をするか。実践例をあげてみました。

主食を置き換える

マンナンヒカリ(大塚食品)

こんにゃく由来のマンナンヒカリはご飯に混ぜて炊くことで、茶碗によそった時の見た目や香り、ボリュームはそのままに、糖質を抑えることができます。1膳150gあたりの糖質55.2g⇒36.6gに抑えることができます。

 

低糖質ふすま粉パン(低糖工房)

小麦粉の胚乳の表皮部分にあたるふすまは小麦粉より糖質が少ないため、糖質を抑えることが可能。食物繊維も豊富なため、血糖値の上昇をおだやかにする効果を期待できます。1個あたり糖質2.3g(日本食品標準成分表2015「ロールパン」と比較し89%糖質オフ

 

低糖質ブラン(Pasco)

減量に大豆粉を使用することで、糖質を抑えています。ただし、糖質がゼロではないため注意が必要です。1枚あたり糖質7.8g日本食品標準成分表2015年版追補2017年「食パン100g当たりと比較」50%糖質オフ(PascoのHPより)

 

糖質0g麺(紀文)

原材料におからパウダーやこんにゃく粉、セルロースなど血糖値が上がりにくい材料を使用することで糖質のゼロを実現しています。

 

サラダシーチキン(CarbOFF)

まぐろのステーキ状にカット。主にたんぱく源としての栄養補給ですが、糖質0gに抑えることができます。エネルギー63kcql、たんぱく質15.4g、糖質0g

糖類0の甘味料を使用

ラカントS(SARAYA)

パルスイート(AJINOMOTO)

コーヒー、紅茶、料理で使う砂糖を糖類0の甘味量に置き換えることで、甘さがないと飲めない方には糖質の摂取を抑えつつ、飲み物を今まで通りに飲み続けることが可能です。

 

間食

間食で食べるものの多くは原材料に小麦粉や砂糖などの糖質を多く使用している商品が多く。

糖質制限をする場合は、食べる回数に注意しなければなりません。

ただ、どうしても食べたいときの、救済アイテムとして、糖質ゼロの飴やチョコレート、クッキーがあるため、特別な日のご褒美として食べるときには、選ぶのもひとつです。

カロリー0飴(SARAYA)

ZERO(LOTTE)

 

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

いかがでしたでしょうか。

糖質制限については世界の研究者達の中でも、意見は分かれていますが、今まで糖質を食べる量が多かった人が糖質を食べる量を調節することで体重が減ること糖尿病の治療意義がある程度認められているようです。

ただし、科学的根拠となるデータの蓄積がまだ不十分であり、長期的な継続は安全性やリスクは今後も情報収集に注意をしなければなりません。

糖質制限にもやり方に種類が分かれていますが、継続性や身体への負担を考えると、緩やかな糖質制限から実施していくことが取り組みやすく、体重を減らす近道になりそうです。

糖質は本来、栄養素として体に必要なものであり、悪いものではありません。

食べ過ぎていることが体重増加、肥満、病気の発症リスクとつながっています。

適正な食事量が健康に過ごす一番の予防方法かもしれません。

人生100年時代と言われる現代では、健康に投資することがひとつのステータスになっています。

今後も有益な情報を発信していきます。

 

参考論文

Sainsbury E, Kizirian NV, Partridge SR, Gill T, Colagiuri S, Gibson AA. Effect of dietary carbohydrate restriction on glycemic control in adults with diabetes: A systematic review and meta-analysis. Diabetes Res Clin Pract 2018; 139: 239-252.

MacLeod J, Franz MJ, Handu D, et al. Academy of Nutrition and Dietetics Nutrition Practice Guideline for Type 1 and Type 2 Diabetes in Adults: Nutrition Intervention Evidence Reviews and Recommendations. J Acad Nutr Diet 2017; 117: 1637-1658.

Snorgaard O, Poulsen GM, Andersen HK, Astrup A. Systematic review and meta-analysis of dietary carbohydrate restriction in patients with type 2 diabetes. BMJ Open Diabetes Res Care 2017; 5: e000354.

日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言より

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