食物繊維がすごい。

健康

健康に過ごす時間を少しでも長くするため、何を取り組みますか。

食事から野菜を食べる意識をしている方は多くいらっしゃると思います。

野菜を摂る理由をご存じでしょうか。

野菜には「食物繊維」が含まれており健康に良いとされます。

でも、実際に野菜を食べるとどのような身体への効果が期待できるのか、どの程度食べる必要があるのか。

国の示す基準、根拠となる研究や実際の食品ごとの食物繊維の量などを紹介して、少しでも皆さんの健康に役立つ情報をお示ししたいと思います。

目次

食物繊維とは、

「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体(植物性食品だけでなく、動物性食品起源も含めて)」という考え方が一般的に受け入れられています。
これによれば、植物に含まれるセルロース、リグニン、ペクチンや、カニ・エビなどの甲殻類に含まれるキチン、キトサン、デンプンの一部が非消化性のレジスタントスターチなども食物繊維に含まれます。

 

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に大別されます。

水溶性食物繊維が多い食品

じゃがいも、豆類(乾燥粉末、きなこ、大豆粉)、乾燥野菜、穀類(大麦、小麦、ライ麦、)

不溶性食物繊維が多い食品

きのこ類、豆類、乾燥野菜(切り干し大根、ドライトマト)、乾燥山菜(ぜんまい、わらび)、茶葉、穀類(小麦、ライ麦、トウモロコシ)

 

 

食物繊維の目標摂取(日本人の食事摂取基準2015年版より)

性別 男性 女性
年齢等 目標量 目標量
18~64歳 21g以上 18g以上
65歳以上 20g以上 17g以上
妊婦・授乳婦 18以上

 

 

日本人の野菜摂取状況の推移

日本の健康施策として健康日本21がある。現在は健康日本21(第2次)となっている。その中で食物繊維摂取量を増やす取り組みとして野菜摂取量を1日350g以上を目標としている。

しかし、目標の摂取量には達成することができていません。

各野菜の摂取量推移グラフ

 

なぜ、350g以上なのか?

脳卒中のリスクに対するカリウム、マグネシウム、カルシウム、繊維の摂取量の研究

ビタミンCの心血管疾患へのリスクの検討の研究。

1997年の食物、栄養、身体活動とがん予防:世界的展望の3つの研究をもとに必要な栄養素量を検討し、2010年の国民健康栄養調査から栄養素摂取量と食品摂取量等との関連から食品の摂取重量に落としこんだ重量が350gとなった。

下記が根拠論文のページ

↓↓

The effects of potassium, magnesium, calcium, and fiber on risk of stroke - PubMed
Stroke mortality represents the third leading cause of death worldwide, after coronary artery disease and cancer. High b...
Vitamin C and cardiovascular disease: a systematic review - PubMed
The evidence, albeit limited, is consistent with vitamin C having protective effect against stroke whereas the evidence ...

World Cancer Research Fund in Association with American Institute for Cancer : Food, nutrition and prevention of cancer, A global perspectives, American Institute for cancer, Washington, D.C., 1997.

 

食物繊維の期待できる効果

・血清コレステロール低下作用。

・食後血糖の低下

・大便の軟化

疾病予防の期待

・心筋梗塞・冠動脈疾患などの心血管疾患

・2型糖尿病

・結直腸がん

・憩室性疾患

・体重コントロール

・総死亡率

繊維
目次 要約 序説 食物繊維の定義 米国医学研究所:食物繊維、 機能性食物繊維、および全食物繊維 その他の分類体系 生物活性 血清コレステロールの低下 食後血糖の低下 大便の軟化 疾病の予防 2型糖尿病 がん 憩室性疾患 体重コントロール 総...

 

では、実際に食品にどの程度の食物繊維が含まれているのか。食品群ごとに紹介します。

穀類に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
こめ(うるち米) 微量 0.6 0.6
小麦粉(薄力粉) 1.2 1.3 2.5
ライ麦粉 4.7 8.2 12.9
オートミール 3.2 6.2 9.4
コーンフレーク 0.3 2.1 2.4
ライ麦パン 2 3.6 5.6 1個 72 4.0
ぶどうパン 0.9 1.3 2.2 1個 36 0.8
ロールパン 1 1 2 1個 31 0.6
フランスパン 1.2 1.5 2.7 1切れ 30 0.8
そば(干) 1.6 2.1 3.7 1人前 100 3.7
中華めん(干) 1.6 1.3 2.9 1人前 73 2.1
うどん(干) 0.6 1.8 2.4 1人前 100 2.4
じゃがいも 0.6 0.7 1.3 1個 110 1.4

野菜に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
だいこん(葉) 0.8 3.2 4
だいこん(根) 0.5 0.9 1.4
切り干し大根 3.6 17.1 20.7 1人前 5 1.0
れんこん 0.2 1.8 2 1節 200 4.0
ごぼう 2.3 3.4 5.7 1本 180 10.3
かぼちゃ 0.7 2.1 2.8
にんじん 0.7 2 2.7 1本 130 3.5
えだまめ 0.4 4.6 5 1さや 3 0.2
トマト 0.3 0.7 1 中1個 150 1.5
モロヘイヤ 1.3 4.6 5.9
青ピーマン 0.6 1.7 2.3 1個 40 0.9
キャベツ 0.4 1.4 1.8
セロリー 0.3 1.2 1.5 1本 150 2.3
はくさい 0.3 1 1.3 中1枚 150 2.0
ほうれんそう 0.7 2.1 2.8 1束 250 7.0
きゅうり 0.2 0.9 1.1 1本 100 1.1
グリーンピース 0.6 7.1 7.7 大さじ 10 0.8
パセリ 0.6 6.2 6.8

 

きのこに含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
きくらげ(乾) 0 57.4 57.4
干ししいたけ 3 38 41
しいたけ 0.5 3 3.5 1個 15 0.5
なめこ 1 2.3 3.3 1パック 100 3.3
本しめじ 0.7 2.6 3.3 1パック 100 3.3

 

果物に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
干しがき 1.3 12.7 14 1個 30 4.2
干しいちじく 3.3 7.6 10.9 1個 30 3.3
干しプルーン 3.4 3.8 7.2 1個 10 0.7
アボカド 1.7 3.6 5.3 1個 230 12.2
バナナ 0.1 1 1.1 1本 150 1.7
ぶどう 0.2 0.3 0.5 中1房 100 0.5
りんご 0.3 1.2 1.5 1個 300 4.5
なし 0.2 0.7 0.9 1個 300 2.7
すいか 0.1 0.2 0.3 1/16個 400 1.2
いちご 0.5 0.9 1.4 1個 20 0.3

豆類に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
いんげん豆(乾) 3.3 16 19.3 1人前 25 4.8
ささげ(乾) 1.3 17.1 18.4 1人前 25 4.6
あずき(乾) 1.2 16.2 17.4 1カップ 150 26.7
えんどう(乾) 1.2 16.2 17.4 1人前 25 4.4
大豆(国産、乾) 1.8 15.3 17.1 1人前 25 4.3
きなこ 1.9 15 16.9 大さじ1 6 1.0
あずき こしあん 0.3 6.5 6.8
挽きわり納豆 2 3.9 5.9 1パック 50 3.0
絹ごし豆腐 0.1 0.2 0.3 1丁 200~300 0.6~0.9
木綿豆腐 0.1 0.3 0.4 1丁 200~300 0.8~1.2
凍り豆腐 0.6 1.2 1.8 1個 19 0.3

種実類に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
くり(ゆで) 0.3 6.3 6.6 4個 50 3.3
ぎんなん(生) 0.3 1.5 1.8 3個 9 0.2
ごま(いり) 2.5 10.1 12.6 大さじ1 10 1.3

海藻に含まれる食物繊維量

食品名 食物繊維※1
(g/可食部100g)
食材ごとの目安※2
水溶性 不溶性 総量 単位 重量(g) 含有食物
繊維量(g)
ひじき(乾) 43.3
焼きのり 36
わかめ(乾) 32.7
昆布(乾) 27.1
食品に含まれる食物繊維量一覧|大塚製薬
食物繊維は便秘予防にいいだけではありません。食物繊維の特性や摂り方について理解を深め、健康な毎日を目指しましょう。「食物繊維を摂ろう! 」、「食品に含まれる食物繊維量一覧」のページです。

食品から食物繊維をと摂ることが難しい方に向け、水に溶ける食物繊維として、難消化性デキストリンやイヌリンという粉末がある。水、お茶などの飲み物や味噌汁やスープなどの汁物に溶かして、摂ることができる商品も売られている。無味、無臭で味や風味を変えずに繊維を摂ることが可能。

イージーファイバー(小林製薬株式会社)

引用元:Amazon

5.2g×30パック、個包装タイプ。1包で食物繊維4.2g摂取可能。

ストロングファイバー(アサヒグループ食品)

引用元:Amazon

5.96g×30パック。1包あたり食物繊維5.0g配合。

賢者の食卓(大塚製薬)

6g×30包入り。6gあたり5gの食物繊維を配合。

難消化性デキストリン(ヘルシーカンパニー)

5gあたり1.1gの食物繊維を配合。個包装ではないため、匙等で溶かして使用します。

難消化性デキストリン(糖質制限専門店LOHAStyle)

5gあたり食物繊維4.25g配合。個包装ではないため、匙等で溶かして使用します。

まとめ

食物繊維の基本的な知識、食物繊維の期待できる効果、健康に過ごす上でどの程度の野菜を摂るべき目安量を国が示す根拠論文をもとに紹介してきました。さらに食品群ごとに、どの程度食物繊維が含まれているのか把握ができたと思います。また、既製品で食物繊維を補う商品もあります。忙しく食事のバランスが乱れている時は粉末の繊維を使うことも選択肢の一つです。是非、皆さんも食物繊維が足りているのか参考にしながら、自分の食生活を振り返ってみて下さい。

 

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