自分の体型が気になっているけど、仕事が忙しくて、運動の時間がない。
そんな時に、テレビのコマーシャルでプロサッカー選手がお腹にシックスパッドの機械を装着して理想の体型になれそうな、夢のような紹介がされています。
でも、本当にそんな簡単に効果がでるんでしょうか。
そんな疑問を持ったので、今回、実際に効果が期待できるのか調べてみました。
(個人的に調べあげた内容です。)
結論
皮下脂肪を劇的に減らすような期待のし過ぎには、注意です。
コマーシャルのアスリート選手のような体型になれるわけではありません。
しかし、電気刺激と筋トレと同様な運動を組み合わせることで低負荷の運動でも、キツイ筋トレに近い筋肉の運動効果が期待できるようです。
順番に解説していきます。
目次
シックスパッドの原理
SIXPADは、筋電気刺激、通称EMS(Electrical Muscle Stimulation)と言われ電気的に筋収縮を起こすことで筋疲労を起こし筋トレの効果を期待するものです。
電気刺激による負荷と、電気刺激と同様な近い条件の負荷の随意運動(いわゆる、電気刺激と同じ程度の筋トレによる負荷)を比較した研究報告では、詳細な数値については省くが、筋トレをした群と比べ、電気刺激を行った方が疲労が強い結果であった。
(詳細の結果報告は公式ページを参考にしていただきたい。)
つまり、電気刺激による筋肉の動きで筋トレをした時と同じような疲労が起こることを実験で明らかになった。
むしろ、筋トレより、筋肉の疲労度合いが強く出ていることがわかった。
(個人的な偏見があるかもしれませんが、)
体型の悩みをもつ方、改善を望む方というのは、肥満体型の人が特に気にされる印象が強い。
ラクして痩せたいとか、もちろん、標準体型の方でも、自分の望むボディイメージを目標とする方もいるとは思いますが、
しかし、研究の被験者12名の特徴が体格指数(BMI):20.7±1.5であり、
体格指数が18.5〜25未満は標準体型であり、体格指数が25以上の肥満体型の場合は効果が得られるのかは疑問である。
体重何kgから肥満に線引きされるのか。(BMI、体脂肪率?)
肥満の基準(日本肥満学会より)
Body Mass Index (体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))で判定される。
BMI | 判定 |
18.5未満 | 低体重 |
18.5~25 | 普通体重 |
25~29.9 | 肥満1度 |
30~34.9 | 肥満2度 |
35~39.9 | 肥満3度 |
40以上 | 肥満4度 |
また、標準体重(身長(m)×身長(m)×22)は疾病や死亡のリスクが統計的に少ない体重の目安とされている。
http://www.jasso.or.jp/data/magazine/pdf/chart_A.pdf
体脂肪率
体に占める脂肪の比率。生活習慣病との相関は薄いため、メタボリックシンドロームの診断基準には採用されていません。
体脂肪率と健康障害には明確な相関が認められませんが、これは体脂肪率が内臓脂肪だけでなく皮下脂肪を含む体脂肪の量を反映しているためです。
すなわち内臓脂肪の蓄積にほぼ比例する腹囲が基準値を超えれば生活習慣病のリスクが高まりますが、体脂肪率が高くてもそのリスクが高いとはいえないのです。
こうした理由からメタボリックシンドロームの診断基準にも体脂肪率は採用されていません。
どの程度の期間筋トレを実施すれば、どの程度の効果が期待できるのか
ロコモティブシンドロームの高齢者に対しての 骨格筋電気刺激の研究データが示されています。
両側の大腿四頭筋を8週間(23分/ 5日/週)刺激しました。
ロコモティブシンドロームの評価、筋力、筋厚、および筋活動パターンは、8週間後に対照群とは有意に異なる結果でした。( p <0.05)。
ロコモティブシンドロームの高齢者に対して、筋肉神経活性化と力出力有効性は示唆される結果でした。
しかし、電気刺激による介入を終了し、その4週後、同様に評価項目を測定すると持続的な効果は得られませんでした。
そのため、継続して介入する必要性はあるようです。
肥満者は効かないのではないのか。
肥満者の場合、腹部の脂肪の厚さが電気刺激を阻むため、本来の電気刺激の作用が期待できない可能性があります。
トルコの研究においてEMSを用いた研究が報告されている。実験の被験者は、BMI24程度の対象者に電気刺激を用いた介入がされ、体重、体脂肪率、脂肪量など有効性は示唆されている。
ただし、実験方法は電気刺激と運動を組み合わせた方法であり、週3回、25分間の実施期間であった。
EMS単体の介入では、ないため、BMIが高い被験者の介入で有効であると判断するのは、よくないでしょう。
電気刺激のみの介入実験では、8週間にわたって週5日(1日あたり20〜40分)腹部を刺激し、研究中に追加の運動を行うことを控えました。
この研究では、腹部の筋力、筋持久力が増加すること、腹囲の変化に有意差(p <0.05)はみられるが、体重、BMI、臍周りの皮下脂肪厚などの変化は見られないことが示されている。
CTやMRIなど内臓脂肪の変化は調べられていないため、不明ですが、ウエスト測定では、誤差は生じることも考えられます。
file:///C:/Users/nons2/Downloads/B12-20080301-1.pdf
前十字靭帯の手術後のリハビリテーション治療の一環として介入されている研究報告もあり、運動と組み合わせて、電気刺激を取り入れることで有効性は示唆されているようです。
経験者のレビュー・口コミ
実際に、シックスパッドの使用経験者のレビュー、口コミなどをブログ記事を色々と見てみましたが、ウエストの引き締め効果があることは、実感されている方はいましたが、体重・体脂肪率が低下したという方は、少ない印象です。
体重が減った、ウエストが引き締めの効果が出たという方も、1カ月~2カ月は継続して取り組んでウエストが-2~3cm、体重も2~3kgなど個人差は大きい印象です。
①https://the360.life/U1301.doit?id=3757
②https://moov.ooo/article/5d3d38a8cdf0f964da626541
③https://moov.ooo/article/5e526c8b56ba4718a0545bf8
④https://nishiyama-seikotsuin.com/ems.html
そもそも、電気刺激で動かすのは、筋肉であり、皮下脂肪が電気で分解されるわけではないことを理解しておく必要があると思います。
お腹の脂肪の付き方は劇的には、変わらない。
さらに脂肪の厚さがある場合は、電気刺激が伝わりにくいため、効果がでにくいことも理解しておくといいでしょう。
シックスパッドの活用例
シックスパッドでは、脂肪を劇的に減らすことは、難しいことが、今回調べていく中で、伝わってきました。
コマーシャルのようにアスリートの身体にすぐになれると、期待しすぎは気をつけた方がいいでしょう。
電気刺激と筋トレと同様な運動を組み合わせることで低負荷の運動でも、キツイ筋トレに近い筋肉の運動効果が期待できる。
インターバルトレーニング(80-90%max≒8~10メッツを用いる)で得られるような効果が、5.3Mets程度の低強度の運動でも再現できる可能性があることを示唆している。
(Faude et al., Sports Medicine 2009)
劇的な筋肉の増加を期待するのは、よくないかもしてませんが、効率よく筋トレができるようになれる。
そんなことがシックスパッドの活用可能性を見出していると思います。
ただし、実践に取り入れていく上では、小型化や値段などのハードルが高いことも考えていかなければならない。
肥満者を対象にした研究があるのか、今後、情報を更新していきたいと思っています。
今回のまとめは、あくまでも個人の調べた内容になります。
論文等は、引用サイトを掲載しているので、詳細は公式ページをご確認ください。
電気刺激機器の効果は、個人差があります。
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